音声パソコンとの出会い

鹿児島市視覚障害者協会

村田 隆

 「PCトーカーセブンを組み込みました」

 パソコンの電源を入れしばらくすると,さっきの音声が流れてきます。そこで「マイニュース」のメニューを選択,その日の全国紙の新聞ニュースを聞くことから私の日課が始まります。

 ところで,私は二年前に視覚連に入会させていただきました武・田上地区の村田と申します。緑内障を患い数度に亘る手術を受けたにもかかわらず,徐々に視力を失い現在では右眼は完全に光を失い左眼もかすかな光を残すのみとなりました。後年になってからの中途失明ですので失敗の連続です。

 特に,今まで慣れ親しんだ文字を読んだり書いたり出来なくなったのが一番不自由な事でした。

 しかし,お陰様で好きな読書は点字図書館を介してCD等の貸し出しを受けて「プレクストーク」で楽しんでいます。

 次に困ったのが自分の意志を伝達するための文字を書くことでした。自分ではきちっと書いているつもりなのですが,家内に言わせますと文字が斜めになったり,重なったりでとても読めるものではないそうです。友人への手紙など家内に代筆を頼むのもなあと想い悩んでいましたところ,「市民のひろば」に視覚障害者向けパソコン教室が「ゆうあい館」で実施されることを知り,早速応募しました。

 「ゆうあい館に備え付けのデスクトップ型のパソコンで初歩的な講習を受けました。先ずびっくりしたのは,キーボード一つ一つに音が出ることでした。これが私と「音声パソコン」との初めての出会いでした。そして,音を出すためには専用のソフトが必要なことも知りました。そのソフトも日常生活用具の対象として市の補助があることも教えていただきました。ソフトの選択,購入の手続き,そしてソフトのインストールまで全て視覚連の小山先生にお世話になりました。

 今は,同じ「ゆうあい館」で毎月第二,第四土曜日に行われているパソコン教室に通って技術の習得に頑張っています。パソコン教室では素晴らしい先輩の皆さんに囲まれあっという間に楽しい一日が過ぎてしまいます。ご指導いただいている武元,竹田,上薗,長井先生の各先生には紙面をお借りして心から感謝を申し上げます。お陰様で,手紙,ハガキ,原稿など文書の作成にはほとんど不自由を感じなくなりました。冒頭申し上げましたように,私にとって音声パソコンは,文書作成のほかニュース源であり分からない言葉などの辞書でもあり,また暇な時にはインターネットのユーチューブ,NHK高校講座や音楽など楽しませてくれる生活上の必需品となりました。音声パソコン様様です。

平成26年度 鹿児島市視覚障害者協会会報第1号より転載致しました。


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