[Q−1]視覚障害者が使用する特別なパソコンがあるのですか?
[A−1]視覚障害者用に開発された特別なパソコンはありません。普通,PC/AT互換機(いわゆるDOS/Vパソコン)を使用します。
なお,OSは,Windows 95/98/ME/2000/XP/VISTA/セブン/エイトなら使用可能です。また最近は,マッキントッシュのパソコンにもボイスオーバーというスクリーンリーダーが搭載され割合容易に使用できるようになりました。
[Q−2]ディスプレイの表示が見えない人でも使用できるのですか?
[A−2]視覚障害者といっても,まったく見えない人から,ロービジョンといって弱視の人まで様々です。
まったく見えない人の場合,ディスプレイに表示されている文字やアイコンを読み上げてくれる画面読み上げソフト(スクリーンリーダー)というものを使用します。また,ロービジョンの人も補助的にスクリーンリーダーを使用することもあります。従って,必ずスピーカーがなくてはなりません。
[Q−3]スクリーンリーダーを使用すれば,マウスでの操作が可能なのですか?
[A−3]スクリーンリーダーを使用してもマウスポインタが現在どこにあるかがわかりませんのでマウスでの操作はできません。
そこで,すべての操作はキーボードから行われます。ご存じない方も多いのですが,Windows は,ほとんどの操作がキーボードからもできるような設計(仕様)になっています。 また,パソコンをキーボードから操作しているのは,視覚障害者だけではなく,いわゆるパソコンのパワーユーザーと呼ばれる人の中にもキーボード操作をされる方は多いです。
[Q−4]私は,通常マウスでパソコンを操作しているのですが,キーボードから操作してみたくなりました。その方法をいくつか教えていただけませんか?
[A−4]それでは以下に極めて代表的なものを挙げておきます。
スタートメニューを表示するには:スペースキーの左隣りから数えて3番目のキー,すなわち,Windows キーを押します。その後のメニュー内の移動は上下・左右のカーソル移動キーです。また,決定は,エンターキーです。
メニューバーにアクセスするには:ディスプレイの上部に「ファイル」,「編集」などと書かれたメニューバーがありますが,これにアクセスするには,スペースキーの左隣りから数えて2番目のAltキーを利用します。なお,メニューバー内の移動は上下・左右カーソル移動キーで決定はエンターキーです。
ダイアログボックス内の移動は:ダイアログボックス内の移動は,Tabキーを使用します。この中にも,チェックボックス,コンボボックス,テキストボックス,スピンボックス,ラジオボタン,リストボックスなどがあります。
チェックボックスでチェックのON/OFFは:スペースキーを使用します。いわゆるトグルになっています。
日本語入力のON/OFF:Altキーを押しながら全角/半角キーです。
この他にも多くのものがありますが,ここではこの程度にしておきます。
[Q−5]パソコンで文章を入力したいのですが,60歳になる私にとってはローマ字は苦手なのですが,何か良い方法はありませんか?
[A−5]アルファベットの並びを記憶し,それからとなるとなかなか面白さも少なく意欲が沸きにくいものです。
そこで,以下のような練習をなさることをお勧めします。
(1)ホームポジションの位置に指を置きます。
(2)日本語入力がONの状態とし,左の小指を押します。「ア」と表示されました。
次に,右の中指を1段上に伸ばし,キーを押します。「イ」と表示されたはずです。
更に,右の人差し指を1段上に伸ばしキーを押します。「ウ」と表示されました。
この方法で,今度は,左の中指を1段上に伸ばしキーを押します。「エ」と表示されました。
最後に,右の薬指を1段上に伸ばしキーを押します。「オ」と表示されたはずです。
これで「ア」から「オ」までの入力ができるようになりました。
(3)ここで,「ア」から「オ」がつく言葉をいろいろと入力するのです。 「アイ」 「アオ」 「イエ」 「ウオ」などです。何回も練習しましょう。
(4)次に,「カ行」はk,「サ行」はs,「タ行」はt,「ナ行」はn,「ハ行」はh,「マ行」はm,「ヤ行」はy,「ラ行」はr,「ワ行」はwを前に置いて「ア」から「オ」を書きますと50音が書けるようになります。
この他にも濁音,拗音などもありますが,割愛します。
※キーを押すと書きましたが,むしろ,叩くという表現が正確かも知れません。
[Q−6]私は,小さなころから視覚障害があり,点字を常用文字としてきたため,パソコンを用いて漢字カナ混じり文を書くのが苦手です。何か良い方法があったら教えていただけませんか?
[A−6]日本の文字文化は,漢字というものがあることにより非常に豊かなものとなっています。しかし,文章を書く上でどの漢字を使用すべきなのかなど,漢字を常用している人でも迷うものです。
そこで,パソコンによる漢字カナ入力において,非常に有効な「連文節変換」というものを紹介してみたいと思います。
(1)連文節変換のことを説明する時に,よく引用されるのが,「貴社の記者が汽車で帰社した。」というものがあります。
これは,「きしゃのきしゃがきしゃできしゃした。」とすべての文章をカナで入力後,スペースキーまたは変換キーを押しますと上記の漢字カナ混じり文となるものです。
これは,パソコンの中に入っている「日本語入力システム(FEP)」というものが,文章の前後関係を判断しながら変換してくれているからです。
(2)連文節変換を行った後,ディスプレイを見ることができる人の場合,正しく変換されていれば,そこで決定すれば良い訳ですが,スクリーンリーダーを使用して音声で確認している人の場合,少しやり方が異なります。
(3)スクリーンリーダーを使用している人の場合,右カーソル移動キーで各文節を移動し,文節ごとに発声される漢字の説明で,それぞれの漢字が正しく変換されているかを確認するのです。
これを注目文節を移動するといいます。もし,その文節の漢字が適切な漢字でない場合には,スペースキーを押して正しい漢字が出てくるまで漢字の選択を続けることになります。
(4)読点が打ってあれば問題ないのですが,読点のない以下のような文章の変換はどのようにすれば良いでしょうか。
「ここからはきものをぬいであがってください。」
上記のカナ文字を入力し,変換しますと,必ずしも思ったように変換されません。すなわち,「ここから履物を脱いで上がってください。」と「ここからは着物を脱いで上がってください。」のどちらかになり得ます。
このような場合,シフトキーを押しながら,左右のカーソル移動キーで変換したい単語になるように伸縮します。
上記のような文例を二つほど書いておきます。
「金をくれ頼む。」 「金をくれた飲む。」
「木から落ちて首を折った。」 「木から落ち手首を折った。」
※日本語入力システム(FEP)には,ATOKもありますが,ここではMS-IMEについて,そのキー操作を説明しました。
※連文節変換については,まだまだありますが,一応,この程度とします。連文節変換が「漢字カナ混じり文」を書く一つの有効な手段であることのヒントになれば十分です。
[Q−7]パソコンで文字を入力する方法に,六点入力というものがあるそうですが,どのようにするのですか。
[A−7]キーボードのホームポジションの位置,すなわち,左手のFDS,右手のJKLの六つのキーを使用してすべての文字を入力する方法です。
ただ,これは点字による入力をしている訳ですので,事前に点字を習得しておく必要があります。
この方法ですと,非常に速く入力ができます。
例えば,Fのキーだけを押すと「ア」,FとJのキーを同時に押すと「ウ」,FDSの三つのキーを同時に押すと「ニ」,六つのキーをすべて同時に押すと「メ」の字になります。
なお,タイミングとして,二つ以上のキーを同時に押す場合には,押す時より離すタイミングを同時に行うのがコツだと言えるかも知れません。
また,キーボードによっては,六点入力を受けつけないものもあります。デスクトップ型パソコンであれば,六点入力が可能なキーボードに取り替えるだけで解決される問題なのですが,ノート型パソコンでは,USB接続タイプの外付けのキーボードを別に取り付けるしか解決策はありません。
ご存じのように,点字は2の6乗,すなわち64通りの組み合わせしかありませんので,文字にならない点の組み合わせも記号として用いられることもあり,理科記号や数学記号,楽譜などを書こうとすると,どうしても六点入力でないと書けないということはよくあるものです。
なお,六点入力に対して,すべてのキーを用いて行われる普通の入力方法をフルキー入力と呼ぶこともあります。
[Q−8]私は,キーボードからパソコンを操作している方へ操作方法の支援をさせていただくことがあるのですが,何か役立つ情報はありませんか?
[A−8]パソコンをキーボードから操作している人の場合,マウスで操作している人と異なり,キーボードを操作中の人が一度,席を離れ,サポーターがその席について支援するということも少なくありません。
そこで,そのような面倒さをなくするために,USB接続タイプのキーボードを持参し,支援している人のパソコンに接続するのです。すなわち,1台のパソコンに2台のキーボードを接続します。そして,キーボードを横に並べて支援にあたりますと,とても便利です。
一度,実際になさってみてください。その便利さが体感できると思います。
[Q−9]これからパソコンを始めようといわれる方なのですが,すでに点字は修得しており,また点字のタイプライターも使用できます。従って,六点入力も可能なのですが,六点入力とフルキー入力とでは,どちらの方法から始めた方が良いでしょうか?
[A−9]六点入力という方法は,六つのキーから指を離すことなく,すべてのパソコンの操作ができる極めて優れた入力方法です。従って,六点入力を先に練習なされば良いと思いますが,以下については理解してもらっておいた方が良いかも知れません。
(1)Windows が持つ標準のホットキーや,各アプリケーションが持つショートカットキーを利用しようとすれば,どうしてもフルキーのキー配列は記憶しておく必要があること。
(2)六点入力ができるパソコンは,パソコン全体の数からすれば,そんなに多くなく,六点入力のできないパソコンを操作しなければならない場面に遭遇するかも知れないこと。
などです。しかし,六点入力による入力速度の速さはやはり魅力だと思います。
[Q−10]初めてパソコンを購入しようと思うのですが,ノート型パソコンとデスクトップ型パソコンのどちらを選択すれば良いでしょうか。いろいろな考え方があると思いますが教えてください。
[A−10]偉大な詩人ゲーテは,「本来,長所となり得ない短所はなく,短所となり得ない長所はない。」といっています。すなわち,物事はすべて見方により長所ともなり,短所ともなるということです。
では,本題に入り回答させていただきますが,これは本回答者の個人的な考え方をも含んでいることを予めご了解ください。
(1)初めてパソコンを購入なさるのであれば,JIS109標準キーボードが付属したデスクトップ型パソコンが良いと思います。セカンドマシンとして購入なさるのならノート型をお勧めします。
(2)ノート型パソコンの良い点は,何か不具合があった時など,教えてもらうために持ち運びできるという点があります。また,修理依頼のためにパソコンショップへ持ち込むのも容易です。反面,個人情報保護という観点からパソコンの盗難が問題となりますが,ノート型パソコンでは,その被害を受けやすいと思います。
(3)ノート型パソコンとデスクトップ型パソコンを値段という観点から比較しますと,やはり後者の方が同じスペックの製品であれば安価だと思います。
(4)デスクトップ型パソコンの良い点は,もし故障した際に,部品が手に入りやすく,自分で修理できるという点は大きいと思います。
(5)拡張性,すなわち,後でいろいろなオプション部品を取り付けやすいのもデスクトップ型パソコンです。
以上,まとめてみましたが,最終的には,購入者自身の決断だと思っています。
[Q−11]キーボードからパソコンを操作する方法を支援する場合,困ることの一つに,「同じ結果を得るのにいくつかの方法がある」というものがあります。どのように考えて支援に当たれば良いものでしょうか?
[A−11]Aさんという方に,常に一人の人が支援に当たっているような場合には,それほど問題にはなりませんが,きょうはXさんが,来週はYさんが支援に当たるというような時には問題となる事柄です。
そのような場合には,あらかじめ,支援者間で十分な話し合いを行っておく必要があると思います。
例を挙げた方がわかりやすいと思いますので,下に書いてみます。
現在,使用中のアプリケーションソフトを終了させる方法ですが,キーボードによる操作で,あなたはいくつの方法を思い出せますか?また,他の人に教える時には,どの方法を教えますか?
(1)altキーを押し,プルダウンメニューを表示します。上矢印キーを上に移動させ,「終了」でエンターキーを押す。
(2)altキーを押しながらF4キーを同時に押し,終了させる。
(3)altキーを押しながらスペースキーを押し,システムメニューを表示し,上矢印キーを上に移動し,「閉じる」でエンターキーを押す。
(4)altキーを押しながらスペースキーを押し,システムメニューを表示させ,その後にアルファベットのCを入力する。
少なくとも,この4通りはすぐに思い出されるでしょう。
どれが最も良いかは,ノート型パソコンなのか,デスクトップ型パソコンなのかにもよります。すなわち,キーボードの押しやすさです。
altキーを押しながらF4キーですが,最も簡単なような気がしますが,ノート型パソコンでは案外押しにくいものです。
十分な話し合いの後でないと,Xさんは(1)の方法を,Yさんは(2)の方法を教える可能性があるということです。
[Q−12]キーボードからパソコンを操作している時に,スタートメニューやデスクトップ上にあるアイコンにすばやくアクセスできる方法があると聞いたのですが,どのようにすれば良いのですか?
[A−12]この方法は,スタートメニューやデスクトップ上のアイコンにすばやくアクセスする時だけでなく,例えば,マイコンピュータから特定のファイルを捜す時や,ワープロソフトでファイルを開く時のファイル名の選択にも使用できる方法で,非常に簡単です。
すなわち,そのソフトウェアにつけられている名前の頭文字を入力するのです。
例えば,MS-Word なら,Mを押します。そうしますと,頭文字がMのソフトウェアの所へカーソルが飛んで行きますので,選択が容易です。もちろん,大文字でも小文字でも結構です。
[Q−13]Q−12でソフトウェアをすばやく起動する方法について説明してもらい,とてもよくわかりました。そこで,もう一つ疑問が沸いて来たのですが,例えば,「一太郎」のようにソフトウェアが漢字の場合はどのようにすれば良いのですか?何か方法があるのですか?
[A−13]これは困りましたといいたいところですが,やはり良い方法があります。
「一太郎」を,Zのキーを押して起動させると仮定してお話しします。何故Zかというと,あまりZのつくソフトウェアが他にないからというだけで,別に半角の数字やアルファベットであれば何でも結構です。
スタートメニューなら,そのアイコンが入っているフォルダをマイコンピュータやエクスプローラを使用して開きます。
そして,以下のように書き変えます。
一太郎(&z).lnk
上記の作業により,「一太郎」はZのキーを押せば起動します。他にZの文字が付くものがあるときは,一太郎を選択し,エンターキーを押してください。
[Q−14]キーボードからパソコンを操作する時に使用するものらしいですが,アクセラレータキーというものがあると聞いたことがあります。どのようなものか教えてください。
[A−14]Alt キーを押しますと,画面の上から2段目にあるメニューバーにアクセスできます。そして,エンターキーを押すか,左右上下矢印キーで移動しますと,例えば「ファイルF」とか,「印刷P」とか書かれています。これがアクセラレーターキーです。
すなわち,メニューバーにすばやくアクセスするためのものです。
では,印刷コマンドの実行のしかたを説明します。
Alt キーを押しながらFのキーを押します。次に,Altキーは離し,Pのキーを押します。これで印刷のダイアログボックスが開きます。
これらは,各メニューのうしろに書かれているアルファベットを記憶し,入力すれば良いのです。
[Q−15]パソコンをキーボードから操作する際,コントロールキーとの組み合わせでいろいろな操作ができると聞いたのですが,それらについて教えていただけませんか?
[A−15]コントロールキー(以下,Ctrlキーと略します。)との組み合わせについて,まずアルファベットと組み合わせるものについて説明します。
Ctrl+A=範囲指定やファイルを選択する時の「すべて選択」に使用します。
Ctrl+C=クリップボードに貼りつけ,別な箇所へ復写する時に使用します。後で紹介します
Ctrl+Xでは,コピー元には残りませんが,これだとコピー元にも残っています。
Ctrl+E=ワープロソフトなどで,「中寄せ」を行う時に使用します。ただ,「一太郎」では,このコマンドは使用できません。
Ctrl+F=文書内での単語の検索や,マイコンピューターなどでのファイルの検索に使用します。ダイアログボックスが開きますので,後は,その指示に従ってください。
Ctrl+H=主に,文書内の単語などを置換したい時に用いられます。このコマンドを実行しますとダイアログボックスが開きますので,その指示に従ってください。
Ctrl+L=ワープロソフトなどで,「左寄せ」に使用します。
Ctrl+N=ワープロソフトなどで,「新規作成」のコマンドとして使用します。
Ctrl+O=ワープロソフトなどで新しいファイルを開く時に使用します。
Ctrl+P=印刷のコマンドで,ほとんどすべてのアプリケーションで使用可能です。印刷のダイアログボックスが開きますので,その指示に従ってください。
Ctrl+R=ワープロソフトなどにおいて,「右寄せ」のコマンドです。日付けや差し出し人などを右端に書きたい時にご利用ください。
Ctrl+S=これは,「上書き保存」のコマンドです。ワープロソフトで文書を作成中に,電源コードに足が当たり,コードが抜けてしまったという経験はありませんか。そんな時のためにも,30分おきぐらいにこのコマンドを実行しましょう。
Ctrl+V=これは,先ほど紹介したCtrl+Cや,後で紹介するCtrl+xでクリックボードに貼り付けた内容を,任意の場所へ貼り付けるコマンドです。
Ctrl+X=これは,コピー元に残さない形で,クリックボードに貼り付けるコマンドです。復写ではなく,移動の際に使用されます。
Ctrl+Z=これは,「元に戻す」といって直前の操作を元に戻すコマンドです。従って,これを押し続けますと,タイムマシーンに乗って過去へ行くように,時間をさかのぼることができます。誤った操作や編集をした時などには,このコマンドは非常に有効です。
[Q−16]キーボード操作で,カーソルをデスクトップへ移動させる方法を教えてもらえませんか?
[A−16]Windowsキーを押しながらDキーを同時に押しますとデスクトップへの移動が可能ですが,慣れないとタイミングが難しいと思います。
そこで,スタートボタンを一度押し,次にエスケープキーを押し,その後にタブキーを数回押しますとデスクトップへカーソルが移動します。
なお,音声環境でお使いの方は,「プログラムマネージャーのリストビュー」という音声が発声されますので,後は,カーソルでデスクトップ内の移動が可能となります。
[Q−17]キーボードに,HomeキーとEndキーがありますが,これらはどのような時に使用するものなのですか?
[A−17]いずれも,カーソルをすばやく移動させる時に使用します。
すなわち,Homeキーは,その行の先頭(左端)に移動させる他,ファイルが一覧されている時には,その最も先頭のファイルに移動しますし,選択メニューでもその先頭へ移動できます。もちろん,ダイアログボックス内での使用も可能です。
また,Endキーは,その行の右端に移動させる他,ファイルが一覧されている時には,その最も後ろのファイルに移動しますし,メニューになっている時には,最も後ろのメニューへ移動します。もちろん,こちらもダイアログボックス内での使用が可能です。
なお,これらのキーとコントロールキーとを組み合わせることにより
コントロールキーとHomeキーで編集中の文書の1頁,1行目,1文字目へ移動します。
また,コントロールキーとEndキーとの組み合わせで編集中の文書の最終頁,最終行,最終文字へ移動します。
[Q−18]文章などの「範囲指定」の方法についてキーボードでのやり方を教えていただけませんか?
[A−18]範囲指定をするには,シフトキーを押しながら,その範囲指定したい部分をカーソルでなぞれば良いのですが,このカーソル移動にも,前に紹介したすばやくカーソルを移動させるやり方が応用できます。
すなわち,行内の任意の位置から行末までを範囲指定したい時には,シフトキーを押しながらEndキーを押します。
次に,行内の任意の位置から行頭までを範囲指定したい時には,シフトキーを押しながらHomeキーを押せば良いのです。
なお,シフトキー+コントロールキー+Endキー,あるいは,シフトキー+コントロールキー+Homeキーの応用もできることは上記までの説明でおわかりのとおりです。
これらは,画面を視覚的に確認できる人の場合,指定された部分の色が変わりますのでわかりやすいのですが,音声ではわかりにくいかも知れません。
いろいろと試してみられると良いと思います。
[Q−19]キーボードでパソコンを操作していて,どうしてもマウスのダブルクリックの操作をしなければならない場面があるのですが,キーボード上からはどのような操作をすれば良いですか?
[A−19]シングルクリックなら,エンターキーをたたくだけですが,ダブルクリックの場合,最初にスペースキーをたたき,その後にエンターキーをたたいてください。
なお,六点入力になっていると,このスペースキーが無効な場合がありますので,その時には,フルキーに切り替えてから実行してください。
[Q−20]マウスの右ボタンのクリック,すなわち,「右クリック」の操作はキーボードではどのようにするのですか?
[A−20]これには,二つの方法があります。
(1)キーボードがJIS標準109キーボードでお話ししますと,右のコントロールキーのすぐ左隣りにアプリケーションキーというものがあります。これが右クリックに相当します。自分のキーボードでも,このアプリケーションキーを捜してみましょう。
(2)キーボードの最上段にあるF1〜F12のキーですが,このうち,F10キーは,実はAltキーと同じようにメニューバーを表示できますが,シフトキーを押しながら,このF10キーを押しますと,右クリックと同じ操作になります。
なお,この操作によって表示されるメニューをコンテキストメニューと呼びます。
[Q−21]友人の所へパソコン操作のサポートに出かけたのですが,友人のパソコンには,スタートメニューを表示するWindowsキーがありません。どのようにしてスタートメニューを表示すれば良いのでしょうか?
[A−21]旧IBM社のパソコンには,このキーがないパソコンがありますね。このような場合には,コントロールキーを押しながらエスケープキーを押してください。スタートメニューを開くことができます。
[Q−22]JIS109標準キーボードでない場合やノート型パソコンには,Fnキーというものがありますが,これはどのような目的に使用するのですか?
[A−22]スペースキーの左側に4個のキーがある場合と5個のキーがある場合があります。
この5個のキーがあるキーボードの場合,109キーボードの左からコントロールキー,Windowsキー,Altキー,無変換キーの他に,Fnキーというのがあります。また,このFnキーの位置とコントーロールキーのある位置が異なる場合があります。
すなわち,左からコントロールキー,Fnキーという場合と,左からFnキー,コントーロールキーという場合があるのです。
ここで使用したいのはFnキーですので,自分のパソコンは,どちらなのかをキーボードガイドなどを使用して確認してほしいのですが,多分,キーボードガイドでもFnキーはしゃべらないと思います。
HomeキーがついていないパソコンでHomeキーの働きをさせるには,このFnキーと左矢印キーを同時に押します。また,Endキーの働きをさせるには,Fnキーと右矢印キーを同時に押します。
また,この他にもファンクションキーとの組み合わせや,ノート型パソコンでは,Print Screenキーを使用する時などに必要なこともあります。
[Q−23]デスクトップ型パソコンのキーボードには必ずついているテンキーについて教えていただけませんか?
[A−23]では,まず,このテンキーを観察してみましょう。電話の数字やプレクストークポータブルの数字は,上から123,その下が456,更に,その下が789,8の下が0ですが,パソコンのテンキーでは,この配列が逆になっています。
すなわち,下から123,1の上から456,4の上から789です。よくよく観察してみますと,5のところが少し飛び出しているかも知れません。これは,電話の場合も同じですね。
次に,0の位置ですが,テンキーでは,1と2の下に横長にあります。また,0の右がピリオド,その右が,今度は,縦長にエンターキーがあります。
すなわち,ここにあるエンターキーは,3の右まで延びています。
更に,6と9の右側に縦長にあるのが+です。おそらく,足し算をする機会が最も多いだろうという想定で,この+のキーが押しやすくなっているのでしょう。
また,7の上がナムロックとナムオフを切り替えるキー,8の上がスラッシュ,9の上がアスタリスク,+の上がマイナスです。
私は,あまりテンキーは使用しませんので,この3個の順番をよく忘れるため,「スアマ」と頭文字を記憶しています。
ここで,取り挙げたかったのが,最も左の上にあるナムロックとナムオフのキーです。
このキーをナムロックの状態にしておきますと,これまでに書いたように数字が有効なのですが,このキーがナムオフになっていますと非常におもしろいキー配列に変化します。
すなわち,4が左矢印,6が右矢印,2が下矢印,8が上矢印です。更に,7がHomeキー,1がEndキー,9がページアップキー,3がページダウンキーとなります。また,0がインサートキー,ピリオドがデリートキーです。
これは多くの数字を入力する時に,カーソル移動キーまで指を移動させて訂正のためのカーソル移動をするのではなく,ナムオフにして,カーソル移動を行い,ただちにナムオンにして,また数字を入力するというアメリカ人らしい合理性から来ているのでしょうか。
なお,このテンキーですが,ノート型パソコンにもオプション品(付属品)として接続することができます。
[Q−24]キーボードで文字を入力する際,日本語入力がOFFの状態,すなわち,変換モードでない状態で,カナと英数を切り替える方法を教えていただけませんか?
[A−24]これは,コントロールキーを押しながら,アルファベットのAのすぐ左にあるCapsキーを押されれば,その操作が可能です。
[Q−25]キーボードで,日本語入力がOFFの状態でアルファベットの大文字を連続して入力したいのですが,そのような方法がありますか?
[A−25]人の名前のように,先頭の文字だけを大文字にしたいというのなら,シフトキーを押しながら1文字だけ入力すれば良いのですが,例えば,TOKYOとか,もっと長い単語を大文字だけで書きたい時には,シフトキーを押しながら,Capsキーを押しますと,「キャプスロック」という状態になります。
なお,これを解除するには,再び,同じキー操作を行ってください。
[Q−26]私の父はローマ字漢字変換ではなく,カナ漢字変換をします。したがって,父が使用した後の入力モードが,カナ漢字変換モードになってしまっているのですが,これをキーボードで簡単に,ローマ字漢字変換に直す方法はありませんか?
[A−26]まず,コントロールキーを押しながらCapsキーでアルファベットモードにし,その後,Altキー(スペースキーの右側でも,左側でも,どちらにあるものでも結構です)とスペースキーの右側の2番目,すなわち,「カタカナ/ひらがなキー」を押します。
タイミング的には,Altキーを押しながら,このキーを押すという感じです。
このようにしますと,ローマ字漢字変換モードとカナ漢字変換モードが交互に切り変わります。
[Q−27]カーソル移動キーのうち,左矢印キーの真上にある「デリートキー」はどのような時に使用するものなのですか?
[A−27]デリートキーは,削除したい文字やファイルがある時に使用します。
文書の作成中に使用しますと,カーソル上にある文字を削除できますし,マイコンピューターなどで,ファイルを一覧している時に使用しますと,ファイルやフォルダーの削除ができます。
なお,後者の場合,シフトキーと組み合わせますと,ゴミ箱に入るのではなく,完全に削除されてしまいますので,十分な注意が必要です。
[Q−28]MS-Excelやマイコンピューターなどで,選択しているセルやファイル,フォルダーなどに新しく文字などを入力したい時には,キーボード操作ではどのようにすれば良いのですか?
[A−28]F2キー(ファンクションキー2)を押してください。入力が可能となります。
[Q−29]以前に,コントロールキーとFで,検索ができると聞いたのですが,ファンクションキーにも,そのようなキー割り当てがありますか?
[A−29]F3キー(ファンクションキー3)が,それに相当します。使用しやすい方をお使いになれば良いと思います。
[Q−30]選択した項目の「プロパティ」を簡単に表示するキー操作があると聞いたのですが,それはどのようにするのですか?
[A−30]Altキーを押しながら,エンターキーを押してください。
[Q−31]いろいろな設定画面などで,複数のプロパティシートを切り替えるにはどのようなキー操作を行えば良いですか?
[A−31]コントロールキーを押しながら,タブキーを押せば切り替えることができます。また,これを逆向きに移動するには,シフトキーを押しながら,コントロールキーとタブキーで切り替わります。
[Q−32]CDドライブにCDを入れますと,ソフトウェアの自動インストールが始まってしまうのですが,それが起こらないようにするにはどのようなキー操作をすれば良いですか?
[A−32]CDをCDドライブに入れる前に,シフトキーを押しながら入れてください。なお,このシフトキーを押している時間は,数10秒にもなることがあります。
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